写真左から、TVer中村氏、REVISIO郡谷氏

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12 DEC

データが解き明かすTVerの価値 ~TVer Biz Conference 2025レポート(2)

編集部 2025/12/12 19:00

株式会社TVerによるオンラインカンファレンス「TVer Biz Conference 2025」が、10月24日に開催された。

本記事では、REVISIO株式会社 代表取締役社長 郡谷康士氏、株式会社TVer 広告事業本部 カスタマーサクセス2部 部長 中村渉氏によるセッション「REVISIOの注視データで解き明かすTVerのメディア価値」をレポートする。

このセッションでは、テレビの視聴データを扱う企業であるREVISIOによる、画面への注視状況を計測したデータ(以下、注視データ)を用いたTVerのメディア価値分析を発表。

「高い注視度」「多い共視聴」「長いCM注視」という3つの特性、コンテンツを能動的に選ぶ「目的視聴」が、広告主にとって価値あるインプレッションを生み出している実態を明らかにした。

■「目的視聴」がもたらす、テレビ平均を超える高い注視度

セッションの冒頭、郡谷氏はTVerの最も顕著な特徴として「注視度が高い」ことをデータで示した。

テレビデバイス全体の平均注視率(ノーム値)と比較したところ、TVerの注視率は50%を超え、ノーム値を2.9ポイント上回る結果に。この優位性の背景には「目的視聴」があるという。

「TVerの視聴者は『この番組、このコンテンツを見よう』という意思を持っている」と郡谷氏。視聴する番組を能動的に選択する姿勢が質の高い視聴につながっているとの見解を示した。

■幅広い層で「質の高い視聴」を実現、特に若年層で顕著な差

TVerのリーチは特定の層に偏らず、広く行き渡っている点も強みであると郡谷氏は指摘。

注視度をデモグラフィック別に分解したデータでは、T(ティーン)層を除く全ての性年代セグメントで、TVerがテレビのノーム値を上回った。特にM1・F1層(20~34歳男女)では、テレビ平均値に対し+8.9ポイントと大きな差をつけており、若年層における視聴の質の高さが際立つ結果となった。

これに対しTVerの中村氏は、「若年層でのスコアの伸びは非常に興味深い」としつつ、「M1・F1層に限らず各世代で視聴の質が一定取れているとも取れる」とコメント。TVerとしては引き続き、幅広い層への配信を推奨していく方針を述べた。

■平均1.3人が同じ画面を視聴 地上波や他動画サイトを上回る「共視聴」

TVerのもう一つの特徴は、複数人で視聴される「共視聴」の多さだ。

「TVerにおける1インプレッションは、デジタル広告としての1インプレッション以上の価値がある」と郡谷氏は語り、特にコネクテッドTV(CTV)における大きな価値だと強調。時間帯別に見ても、朝や昼の一部を除き、ほとんどの時間帯でTVerが共視聴・注目度ともに高い数値を示しているとし、その優位性を裏付けた。

■CMも長く注視されるTVer 他社サービスを上回るパフォーマンスを発揮

番組本編だけでなく、CMにおいてもTVerの特性が見られた。

郡谷氏は、TVerの動画内CMは視聴者が「かなり長く注視する」傾向にあると指摘。15秒CMのうち7秒以上注視した人の割合を示す「注視維持スコア」を他の動画サイトと比較したデータでは、主要5キャンペーンのうち4つで、TVerが他社を上回るパフォーマンスを示し、最大で114%のスコアを記録したという。

「長く注視を維持し、より長くCMを視聴者に見てもらえることで、その先の効果も高まる」と郡谷氏。これを受け中村氏も、「スキップ不可という仕様を考慮しつつも、継続して注視されやすい傾向がTVerの強み」と認識を示した。

■3つの特性が示す「価値あるインプレッション」の提供

セッションの最後、郡谷氏はTVerのメディア特性を「目的視聴による『高い注視』」「他のメディアより多い『共視聴』」「CMに対する『長い注視』」の3点に集約。分析結果を振り返り、「TVerが持つメディアパワーをデータによって可視化したものと言える」と述べた。

これを受けて中村氏も、「メディアとしてのTVerは、広告主様に高価値のインプレッションを提供できているのではないか」とコメント。TVerが質の高い広告媒体として価値を提供していることへの自信をのぞかせた。

「TVerショート」や「高精度広告」などで全方位進化するTVerの最新戦略 〜TVer Biz Conference 2025レポート(1)