同じ視聴率でも見られ方はこんなに違う!?視聴の「拡がり」と「深さ」を捉える
25JAN

同じ視聴率でも見られ方はこんなに違う!?視聴の「拡がり」と「深さ」を捉える

ビデオリサーチ マーケティング事業推進局 テレビ・メディア分析部 鈴木康之 2017/1/25 07:00

先日2016年の高視聴率番組を発表しました【図1】。TOPは今年も「紅白歌合戦」で、他にも「箱根駅伝」「NHK朝の連続テレビ小説」「24時間テレビ」といった<常連>の番組が上位に並んでいます。

加えて、「SMAP×SMAP(解散報道へのメッセージ)」「笑点(春風亭昇太初司会&新メンバー発表)」「中居正広の金曜日のスマイルたちへ(ベッキー×中居正広の対談)」といった<話題>を呼んだ番組や、「クラブワールドカップ決勝(鹿島アントラーズがレアル・マドリードと対戦)」「日本シリーズ(広島カープと日本ハムファイターズが対戦)」といったクラブチームのスポーツ中継がランキングに入ってきているのが今年の特徴と言えます。

■番組視聴率は「拡がり」と「深さ」に分解可能
さて、この番組視聴率ですが、「どのくらいの世帯(リーチ=拡がり)」が「何分視聴したか(視聴分数=深さ)」という2つの指標に分解することができ、それによって「番組の見られ方の違い」を把握することができます。

例えば、100世帯の視聴率調査で、100分の番組の番組視聴率を集計するとします【図2】。「①50世帯が平均20分視聴」した場合、番組視聴率は10%になります。また、「②10世帯が平均100分視聴」した場合でも「③100世帯が平均10分視聴」した場合でも、番組視聴率は同じ10%になります。これを見ると、同じ視聴率の番組でも、その見られ方は大きく違うということが見えてきます。②は見ている世帯は少ないが、最初から最後まで見られている番組と言えますし、③は全世帯が見ている間口の広い番組だが、見られているのは一部分であるということが窺えます。

■同じ30%でも、実は見られ方は大きく違う
先ほどの高視聴率番組についても、「リーチ」と「視聴分数」という視点で見てみると、番組の見られ方に大きな違いがあることが分かります【図3】。

例えば、同じ28%の「笑点」「箱根駅伝・往路」を見てみましょう。前者は視聴した世帯は36%ほどですが、その36%の世帯はほぼ最初から最後までチャンネルを合わせていたことが分かります。新メンバーでの初大喜利&番組最後に24時間テレビのマラソンランナーが発表されるという演出もあり、最後まで目が離せない人が多かったのではないかと推測されます。一方、後者は60%以上と非常に多くの世帯が一度はチャンネルを合わせていますが、6時間を超える長尺コンテンツの為、見た時間の平均は半分程度となっています。

■「バラエティ」は拡く、「ドラマ」は深く
また、この「リーチ」と「視聴分数」は番組ジャンルによって一般的な傾向差があることも分かっています。ある1週間に放送された全番組について、ジャンルごとの平均を見たのが【図4】ですが、「バラエティ」は右下(視聴世帯:多い&視聴時間:短い)に、「ドラマ」は左上(視聴世帯:少ない&視聴時間:長い)にプロットされており、番組の見られ方に違いがあることを示しています。当然ではありますが、コーナー・テーマ割りをしている番組が多い「バラエティ」は内容によって視聴世帯の入れ替わりが発生するケースが見られ、一方、「ドラマ」は基本的には最初から最後まで見る人が多いという違いを表した結果になっています。

今回は番組の見られ方を把握するという目的の指標である「拡がり」と「深さ」をご紹介させていただきました。番組視聴率だけでなく、こういった視点でも番組を見てみるとまた新たな発見があるかもしれません。

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