HAROiD吉澤氏の考える「TVCMの新しい価値」とは?【SENSORS IGNITION 2017 INNOVATORS SESSIONレポート】
編集部
メディア分野で活躍する先駆者たちがトークセッションを繰り広げた「SENSORS IGNITION 2017」が、3月23日(木)虎ノ門ヒルズにて開催された。今回はその中から、SESSION5・「テレビ×ネットで生み出すTVCMの新しい価値」をレポートしよう。


■テレビCMはネットとのコラボでどう変わる?

キリン氷結のテレビCMで、視聴者同時参加企画を行ったHAROiD(ハロイド)。モデレーターの西村氏は、HAROiD inc.Business Development Managerの吉澤氏に、ネットとコラボすることで、テレビCMにどのような付加価値を与えたいと考えているのかと問いかけた。
西村氏「ハロイドはどういうかたちでテレビCMに付加価値を加えていきたいと考えていらっしゃいますか?」
吉澤氏「テレビCMの特徴であり得ないことは、みんなが同時に見ていることです。これまでは、単純に何かがもらえるよというものだった「O2O」を、全国民が参加できるバーチャルな祭りに価値をシフトさせられるのが、テレビらしさだと思います。共感と参加のマーケティングというところでしょうか。」のような感じにしていきたいんです。共感と参加のような感じにしていきたいんです」
視聴者がテレビCMを見て行動を起こすことが当たり前になれば、テレビCMは単に見るものではなく、そこに参加するという感覚になるのは頷ける。前述したキリン氷結のテレビCMが話題になったのもその効果がもたらしたものだろう。
■CMを見た「瞬間」を行動に結びつけ、視聴者をユーザーに
吉澤氏「一方でテレビCMを見て、何かをするんだということが当たり前になってほしいですね。消費者行動モデルでいうと、「衝動」と「行動」だけがあるイメージです。あるCMをみても、15秒後には違うCMが流れていくので、前の内容を忘れていってしまいます。瞬間の衝動を行動に結びつけるためにはシームレスに行動に移せる仕組みを提供すること、それから情報を最適化することが必要です。

野望としては〝HAROiDダッシュボタン″みたいなものがあっても良いな、と。ハードウェアじゃなくてもスマホでもいいかもしれません。リアルタイムに欲しいものが買えるというしくみをつくり、“視聴者をユーザーに”という視点で様々なことに取り組んでいます。」
テレビとネットがコラボし、「今CMで流れているこの商品が欲しい」と思ったとき、すぐに行動に移せる仕組みが構築されれば、テレビCMは見るだけのものから参加する場へと進化することだろう。
吉澤氏は「マーケティング・テクノロジーフェア2017」の2日目に、ニューテクノロジーセミナーとして新テレビソリューションを発表している(同レポートはこちら)。スマホアプリや最先端のWeb・AIRPORT技術、インターネットやメールの利用など、テレビは今、テレビだけに留まらないマーケティングや施策が展開されて当たり前の時代となった(詳細は「MTF2017で見た、テレビ局が導入する最新ツール」記事を参照)。TVCMも氷結の事例を皮切りに、新しい時代へと突入していくに違いない。