日本テレビ、日本映画テレビ技術協会 第75回技術開発賞を受賞「エイディ」の社内開発と運用
編集部
日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区、以下日本テレビ)は、AI業務支援システム「エイディ」の社内開発と運用のテーマにおいて(一社)日本映画テレビ技術協会 第75回(2021年度)技術開発賞を受賞した。
技術開発賞は、毎年特に優秀な成果、業績を示した映画・テレビ等の技術に関係ある発明、考案、研究、開発などを対象に選定される賞で、国内における映画テレビ技術の向上と発展を目的とされており、顕著な業績を残したテーマを対象に授与されるものだ。
AI業務支援システム「エイディ」
日本テレビで開発したAI業務支援システム「エイディ」は、番組制作や事前準備等、様々なシーンで既に活用されている。AI学習に必要な事前の準備作業時間の大幅な短縮を図り、番組制作におけるCG表示作業の効率化、および映像監視の一部無人化、生放送における背面CG合成など幅広い現場の課題を解決していることが高く評価された。
■番組制作・準備作業の効率化と高度化
・「英語テロップの自動日本語変換」、「競技スコアの自動入力」など番組中のCGオペレーションの自動化を実現。
・一部コンテンツの映像監視を自動化し、視聴者へのより安定したコンテンツ提供。
・モザイク処理の自動化による効率的なコンテンツ制作。
・CGトラッキング表現のリアルタイム処理を可能とし、生放送での表現を実現。
■生放送における新しいCG合成手法を実現
・グリーンバック等設置できない環境でも背景CGの合成を可能に。
・距離推定と組み合わせることで、物体の前後だけでなく、物体と物体の間にもCG合成が可能。
■AI学習準備作業における工夫
・学習用「架空画像の生成」や「ラベリング作業の自動化」により、膨大な時間を要する学習の準備作業を省略し、現場でAIがより気軽に活用できる環境を構築。
受賞者のコメント 起案/開発/運用 篠田貴之(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部、AI開発で2018年度に技術大賞受賞)
光栄なことに「エイディ」の開発により、「映像情報メディア学会 技術振興賞 進歩開発賞(現場運用部門)」、「放送文化基金賞 個人・グループ部門 -放送技術-」に続いて、3賞目を頂くことができました。AIを使用することを前提に番組制作のプランを立てる現場担当者も増えてきており、業務効率化や、新しい番組表現を追求するうえで、本システムの重要性は高まっています。今後も魅力的なコンテンツの制作に貢献できるよう、更なる発展に向け、開発を進めてまいります。
~過去の日本映画テレビ技術協会賞 受賞歴~
■第73回(2019年度)技術開発賞
テレビ番組制作支援用AI 顔認識システムの開発
AI顔認識システム開発チーム
(日本テレビ放送網(株)、(株)東芝、東芝デジタルソリューションズ(株)、(株)日テレITプロデュース)
■第72回(2018年度)技術大賞(経済産業大臣賞)
「第95回箱根駅伝」におけるAIを用いた映像表現
画像認識AI応用検討チーム(日本テレビ放送網(株))
■第71回(2017年度)技術開発奨励賞
画像認識技術を用いた制作支援
画像認識AI検討チーム/日本テレビ放送網(株)、(株)東芝、東芝デジタルソリューションズ(株) 共同
ネットバンドカメラの開発とその運用
高橋 一徳/(株)日テレ・テクニカル・リソーシズ、保刈 寛之/日本テレビ放送網(株)
<以降省略>