映像メディアの価値を映す Screens

関西テレビ放送株式会社のグループ企業である関西テレビソフトウェア（株）は、株式会社アトラクター（本社：長野県）と共同で、IPDCとブロックチェーンを組み合わせた認証技術の実証実験に成功、「IPDCを使用して放送波にブロックチェーンのデータを付加して送出する技術」「受信機から得たデータを用いて本人確認を完結する認証技術」を確立したと発表。

IPDCは「IPDataCast」の略で、放送波に映像、音声と共にデジタルデータを乗せて送出する技術。防災分野への活用を中心に実運用が始まっている。また、ブロックチェーンはデータの改ざんが困難な分散型台帳技術として、暗号資産を支える基幹技術として注目されている。

災害時はインターネットの利用が困難になったり、平常時とは異なる制約で緊急の救助活動が必要になることが想定される。IT技術の高度化によりデータの改ざんや抜き取りなどの犯罪も増加する中、本実験はデータの安全性、信頼性を確保しながら、ドローン操作や重機の扱い、トリアージ、電気工事の資格など専門性を持ったスタッフが、支障なく作業できる環境の実現を想定して行った。なお本実験では実際の放送波は使用せず、概念検証と有線実験により有効性を確認したものとなっている。

本実験で確立した仕組みは、災害時において以下の活用を想定するもの

１．放送波を通じて、ブロックチェーンや緊急性の高いデータを送信することでの被災地の作業支援
（「作業許可証の発行」「IoT機器への直接制御」「避難所に掲載する掲示板情報の送信」等）
２．被災地内で発生した決済や作成証明書を接近時通信等で通信可能地域まで転送、サービスを提供
（「避難所への宅配」「住民への罹災証明書発行」等）

今回の実験概要は、11月15日（水）～17日（金）に千葉・幕張メッセで開催される総合メディアイベント「Inter BEE 2023」の株式会社アトラクター様のブースでも展示予定。