映像メディアの価値を映す Screens

中京テレビ放送株式会社（本社:愛知県名古屋市、以下｢中京テレビ」）は、一般社団法人映像情報メディア学会にて、「技術振興賞」進歩開発賞（現場運用部門）を受賞した。この賞は毎年、映像情報メディアに関する研究や開発等で著しい功績をあげた個人、団体に授与される。中京テレビでは、今後も積極的に新しいアイデアや技術を生み出し、創造的な課題解決策の導入・提案に取り組んでいくという。

■「技術振興賞」進歩開発賞（現場運用部門）受賞テーマ： AI 自動ワイプ編集ソフト「FALCON」の開発

ワイプとは番組画面の一角に丸や四角い小窓を作り、その中に VTR を視聴している出演者のリアクションの様子などを VTR に重ねて表示する演出手法。動きのある出演者の顔をワイプ中央に配置する編集（以下ワイプ編集）に膨大な時間がかかっていたため、AI技術によりその工程を自動するソフト「FALCON」（Face Align by CHUKYO TV＆UNIXON）を中京テレビと株式会社ユニゾンシステムズ（本社:福岡市）とで共同開発した。

今回開発されたFALCONを導入することで、ワイプ編集にかかる時間を最大70％削減することに成功し、番組編集現場の大幅な業務改善と労務問題解決に貢献している。FALCONは膨大なパターンの素材を使って、プロの編集マンによる検証を繰り返すことで、圧倒的な精度の高さを実現している。製品化にも成功し、現在は多くの番組に活用されている模様。今後は生放送への対応や複数人映像への対応など機能拡充を図ることでさらなる業務改善につなげていければと考えているという。