昭和の大ヒットドラマ『どてらい男』 失われた映像、生成AIでの復元への挑戦
編集部
関西テレビ株式会社は、2025年10月30日(木)に開催された Google Cloud 主催「AI Agent Summit '25 Fall」Day1 にて、Google Cloud、博報堂との3社共同で、生成AIを活用した映像復元プロジェクトの取り組みを発表した。この取り組みは同社コンテンツビジネス局が、2011年より約15年間、昭和の大ヒットドラマ「どてらい男」の復活に向けたプロジェクトを続けているもので、今回はその取り組みの一環となる。過去のドラマを生成AIで復活させる取り組みは、日本の放送局では初の試みとなる(同社調べ)。
■『どてらい男』とは
『どてらい男』は、1973年から1977年にかけて放送された、関西テレビ制作の連続ドラマ。昭和初期の大阪を舞台に、福井出身の青年・山下猛造が、機械工具問屋での丁稚奉公から商人としてのし上がっていく姿を描いた立志伝的作品だ。
いじめや理不尽な扱いを受けながらも、持ち前の根性と機転で逆境を乗り越え、営業成績でトップに立ち、ついには自らの会社を興すまでの成長物語。主人公は、実在の企業「山善」の創業者・山本猛夫をモデルにしており、昭和の商人魂を体現するキャラクターとして多くの視聴者に支持された。最高視聴率35.2%を記録した全181話の大ヒット作品。
本作の脚本を手がけたのは、昭和のテレビドラマ界を代表する脚本家・花登筐(はなとこばこ)。大阪商人の根性や人情を描く“商魂もの”を得意とし、テンポの良い会話劇と人間味あふれるキャラクター造形で、視聴者の心をつかんだ。多作・速筆で知られ、生涯に手がけたテレビ脚本は6000本以上。『どてらい男』はその代表作のひとつであり、花登作品の中でも特に熱量と人間ドラマが凝縮された傑作だ。
■失われた映像への挑戦:第2・4・5・6話の捜索活動
『どてらい男』は全181話が制作されたものの、現在も第2・4・5・6話、130話~180話の映像が所在不明となっており、完全なアーカイブ化が困難な状況。同社ではこれまで、社内外の資料調査や関係者への聞き取りを通じて、これらの話数の捜索を継続してきた。
今回のプロジェクトでは、生成AIによる映像復元技術を活用し、失われた回の再構築にも挑戦する。これは単なる映像再生ではなく、昭和の文化資産を未来に継承するための新たな一歩となる。
Google Cloud 主催「AI Agent Summit '25 Fall」
タイトル:生成AIで蘇る!? 昭和の大ヒットドラマ。失われた映像復元への挑戦。
日時:2025年10月30日(木)13:30~
会場:ベルサール渋谷ガーデン / オンライン配信
公式サイト:https://cloudonair.withgoogle.com/events/gcai-agent-summit-25-fall
『どてらい男』HP
https://www.ktv.jp/doterai/
カンテレドーガ
https://ktv-smart.jp/store/series.php?id=KTV3260
カンテレドーガ CHANNEL
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07D2V4SXG/ref=atv_dp_season_select_s1