解約率が1/3に軽減!TiVo、レコメンドと高精度な分析を実現する新ツールに注目<vol.2>
25MAR

解約率が1/3に軽減!TiVo、レコメンドと高精度な分析を実現する新ツールに注目

編集部 2019/3/25 09:36

エンターテインメント技術と視聴者分析をけん引するグローバルカンパニーの「TiVo Corporation(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下、TiVo)」。CES2019(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)のプライベートブース(at ARIA Resort & Casino)にて、新たなサービスの日本版プロトタイプの展示を実施していたが、日本支社にて改めて、TiVo株式会社 代表取締役社長 日本担当シニアバイスプレジデント 西村明高氏、同 プロダクトマネージメントダイレクター 勅使川原智氏に話を伺った。

ユーザー向けの「コンテンツリコメンド機能」が2つと、その効果を見ることができる事業者向けに開発された「アナリティクスツール」のデモを見させていただいたが、前編に続いてこの後編では「アナリティクスツール」について紹介する。

■様々なパラメーターから精度の高いリコメンドを設定

まずは前編で紹介した「コンテンツリコメンド機能」の設定ツール Engagement Console (エンゲージメント・コンソール) について。

勅使川原氏:一般ユーザーに見えている画面(左側)での各オススメ番組のグループをカルーセルと呼んでいますが、それぞれのカルーセルを設定する画面(右側)がこちらです。弊社のアルゴリズムによるスマートカルーセルや、様々なパラメーターを元に設定するカルーセルを組み合わせます。

この例では現在放送中の番組のオススメを設定します。このカルーセルは、「好みからの予測」と「人気の番組」を混ぜ合わせて作っています。前者は普段見ている番組から予測してオススメがされますが、後者は普段見ていないものも含めて提案型でオススメがされます。例えば、画面の左側にある「人気度(popularity)」をゼロにすれば、その番組の人気度にかかわらずオススメ、逆に人気度を高くすれば人気の高い番組が出てくるなど、様々な項目が設定できます。

人気度を0(ゼロ)にして、個人特化した提案型のオススメの強度を上げる

また、例えばアカデミー賞作品をプロモートしたいときにカタログの中から検索し、リストを作るというような、手作業編集型カルーセルも作成可能です。

「アカデミー賞作品」でリストを作成

勅使川原氏:また、自動型カルーセルとして、例えば「黒澤明」というキーワードで監督をした映画作品のみがひっかかるように、いくつかの検索のパラメーターを設定して、カルーセルを作成することも可能です。

「黒澤明」でリストを作成

■メタデータより細分化されたセグメント

続いては、アナリティクス用のツール Insight (インサイト) について紹介してもらった。

勅使川原氏:こちらは経営幹部向けのダッシュボードで、リコメンドシステム全体の成績を見るものです。セッション数、再生数、デバイスごとのアクセスの割合、日毎のアクセスの遷移などが一覧できます。

西村氏:パーソナライズしたキャンペーンがどれだけヒットしたかという指標を見るための画面です。

勅使川原氏:次のダッシュボードは、どのようにコンテンツが視聴されているのか、また、レコメンドによる効果がどれほどあったのかといった成績を見るものです。実際に見られたのか、録画されたのか、購入されたのかといったタイプ別のコンバージョンレートをこちらで見ることができます。

西村氏:地域ごとの傾向やデバイスごとの傾向も見ることができます。モバイル向けのキャンペーンで長尺のものを打ってもしょうがない、そういったことも結果として出てきます。

続いては、多数の「チャンネル名+ジャンル名」などが書かれた円が登場している画面。

勅使川原氏:こちらは視聴者のセグメントを概観するものです。メタデータ上では、ドラマには国内ドラマと海外ドラマというサブジャンルしかないんですが、こちらでは海外ドラマの中でも韓流セグメントやハリウッドセグメントが自動的に分化されることが分かります。

西村氏:同じような傾向が50人くらいついたらまず小さな丸が付き、人数に応じて大きくなります。また、円同士が近ければ似た属性を持っており、重なっていたら一緒の面があるということになります。例えば、とある円の近くにコメディ好きの円があれば、その円の人たちに新しいコメディをオススメしてみましょうか、という具合に使うことができます。

■一発で見たいコンテンツにたどり着くための分析ツール

また、以下のようなツールもある。

勅使川原氏:「パス・アナリシス」というダッシュボードです。サービスのユーザーインターフェイスの中で、ユーザーはどの画面を何段階通ってコンテンツの視聴に至ったかを分析するツールになります。これによってUIの改善につなげられます。

UIを立ち上げて、どの画面を開いて、次にどの画面に遷移したかを円の中で表現しています。階層が深いほど(円の外周に伸びているヒゲが長い画面遷移経路)、多くの画面を遷移しないと届かなかったということです。

西村氏:我々がこだわっているのは、一発で見たいコンテンツにたどり着くことなので、これは象徴的なツールです。(円の)ヒゲを減らすことをやっていきましょう、というツールです。

勅使川原氏:もうひとつのダッシュボード、「チャーン・プレディクション」はサービスの解約を予測するものです。ユーザーのサービス利用動向を200ぐらいのシグナルで観察しています。右上のグラフは解約のリスクが低い人から高い人までの人口分布を見るものです。その下の、円の中で緑になっているものが、解約を阻止するのに役立つ指標で、赤が解約を進めてしまう指標になります。

最後に、「コンテンツリコメンド機能」を導入することのメリットについて聞いた。

西村氏:例えば、テレビがマスからビッグデータを使えるところに変わってきている中、同時配信であったり、VODや見逃し配信というサービスにおいて、それを“どう使うか”を考える時期にきていると思うんですね。このサービスは、まず視聴を上げていく、脱退を減らすためのツール化をしてみたものですが、これを使うことで視聴体験が変わってきているというのが如実にわかります。例えば、ドラマ好きの人が、「2話の最初で見なくなった」というところまでデータが取れます。これは今までは視聴率の発表を待たないと数字も取れなかったわけですが、加えて、“ドラマ好きの人の動向”まではわからなかったわけです。これらは、将来ものすごいデータになっていくのではないかと思っています。

勅使川原氏:マイナーなコンテンツであっても、「あなたにオススメなんです」と掘り起こされてくることです。「エフェクティブ・カタログ・サイズ」と我々は言っているのですが、全てのコンテンツが見られているわけではない中での有効なカタログ、見られるコンテンツを広くしていくことが弊社のサービスを使うとできるようになります。

これまでの調査によると、使用することで解約が1/3に減ったという「コンテンツリコメンド機能」。今後の日本での展開拡大に注目だ。

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