長野朝日放送とrtvが連携、「信州風土メディア共創舎」の立ち上げ準備を開始
編集部
長野朝日放送株式会社と株式会社rtvは共同で、県内のメディア発展と地域の価値づくりに資することを目的とし、連携組織「信州風土メディア共創舎(以下、SMK)」の立ち上げ準備を開始した。
組織名には、「風=外から新しい視点や技術を運ぶ力」と「土=地域に根づく知恵や暮らし」が出会い、共創によって信州の価値を創っていきたいという想いが込められている。放送・配信の枠を越えて、地域のスポーツ・文化・日常・防災の物語を掘り起こし、編集し、発信し直すことで、地域と参画者がともに持続可能な価値と事業を育てていく。両社は本件を推進するため、まずは「実行委員会」形式での運営設計を進めるとともに、複数の実証プロジェクトの立案・準備に着手する。
SMKでは、abnが有する取材・番組制作力および地域に根ざした知見と、rtvが有する次世代IP技術やリモートプロダクション等のライブ配信技術を活かし、放送と通信を掛け合わせた新たな地域メディアの在り方を検討していく。
■立ち上げの意図
昨今、視聴者のメディア接触は多様化し、制作・伝達手段は急速に転換している。今後の地域メディアには、多様な手段を活用しながら地域社会や他のメディアとも連携し、コンテンツビジネスの推進を通して持続可能な発展を目指す姿勢が求められる。
SMKは、特定の組織だけでつくるものではなく、立場や役割を越えてビジョンを共有する多様な人や組織が関わり合い、皆で地域のメディアを盛り上げていくための「対話」と「実証」の場となる。こうした取り組みを通じて地域メディアを活気づけ、信州の魅力発信の量と質を高めることで、地域の価値向上につなげていく。
■SMKが取り組むテーマ
SMKでは、実証を通じて成果と課題を整理しながら、段階的に事業化を検討している。現時点で主に想定しているテーマは以下のとおり。
1. 地域コンテンツの整理・再価値化 スポーツ、自然、文化、社会課題などのテーマごとに情報・映像を整理(アーカイブ)し、発信方法を多角化させることで、地域の情報資産を「見える化」していく。そして、コンテンツビジネス(OTTサービス・広告)を推進し、将来的には、地域コンテンツが集約されるプラットフォームの立ち上げも検討する。
2. 共同中継・共同配信のビジネスモデルづくり 地域スポーツ、祭り、花火、選挙関連、自治体・教育機関の発信など、地域イベントの中継・配信を共同で企画・運用し、コストパフォーマンスを最大化する仕組みを検討する。この取り組みを通して、中継現場の省力化のみならず、コンテンツの充実や特化型のコンテンツ制作も目指していく。
3. リモートプロダクションの社会実装 現場での運用負荷の軽減と品質の平準化を目的に、IP伝送・遠隔制作の運用設計、機材・回線の冗長化など、共通基盤としての整備とノウハウ蓄積を進める。
4. 防災・減災に資する情報連携 官民の情報を集約し、放送・配信・対策本部など複数の宛先へ分配できる仕組みの検討と訓練を行い、災害時に役立つ運用モデルを目指し、県民の安心安全に寄与する。
5. 人材育成と現場の継承 高校・大学・地域と連携し、地域の課題にメディアとしてどのようにアプローチするかを検討する。また、メディア教育を通してリテラシーの育成や制作・技術の担い手を育てる仕組み(学びの場、実地の機会、ノウハウ共有)を検討し、これらを世代を超えて楽しめる機会とする。
なお、実証は複数同時並行で取り組んでいくことも想定し、事業化まで1〜2年程の期間を見込んでいる。
※本リリースは設立準備段階の内容を含んでおり、記載された取り組みは今後変更となる可能性があります。
■連携の考え方
SMKは、abnとrtvだけで完結する枠組みではなく、長野県内外のケーブルテレビ事業者、民間放送局、制作会社、自治体、教育機関、企業など、さまざまな関係者と共に取り組みを積み上げていくことを前提に設計する。現場の知恵、制作力、技術、地域との接点を持ち寄ることで、以下の「三方にとって良い形」を模索していく。
・関係者それぞれの負担を過度に増やさずに、質と量を両立した情報発信ができる
・取り組みの成果が、地域の価値向上と参画者の事業価値向上の双方につながる
・地域の情報・人材・経済が循環し、県内メディアの持続可能な発展につながる
現時点で特定の参加企業・団体が決定しているわけではないが、趣旨に関心を持つ関係者と段階的に対話・検討を進めていく。
■長野朝日放送株式会社 代表取締役社長 岩田 淳のコメント
abn長野朝日放送株式会社(以下abn)は、放送事業を核として、地域の出来事を正確に伝え、地域の皆さまの暮らしに寄り添うことを大切にしてきました。おかげさまで4月で当社は開局35年を迎えます。この間、メディア・放送をめぐる環境は激変し、情報の届け方もインターネットを基本とし多種多様のプラットフォームを経由することが可能となってきました。そんな今、放送事業に留まらず「知・技・人」をabnに掛け合わせ、地域の価値を、コンテンツによって多くの皆さまに伝え、再価値化していく取り組みに挑戦することにしました。地域に寄り添って35年間、チャレンジと実行を10年以上すでに積み上げている株式会社rtvとともにSMKの立ち上げ準備を進めながら、長野県、信州のコンテンツや人材、技術がつながり、新たな価値が生まれる土台をつくり上げていく決意です。
■株式会社rtv 代表取締役 須澤 壮太のコメント
長野出身の私にとって、長野をこれまで以上に世界に誇れる地域にしていきたいと強く思っています。これまで弊社で培ってきたライブ配信技術や動画配信サービス、IP技術などのノウハウを惜しみなく投入し、長野朝日放送をはじめ県内の放送やコンテンツ配信に関わる皆様と協業して「コンテンツビジネスといえば長野」と言えるような展開を実現できればと思います。小さなコンテンツでも、発信を継続し、関わる人が増えていくことで、やがて大きな価値へ育っていきます。弊社はこれまでスポーツ配信等の事業を通じて「ファンづくり」に取り組んできました。
SMKでは、地域の中に眠る「コンテンツの宝」を当事者が主体的に磨き、スピーディーに発信していくことを後押ししたいと考えています。それは地域・自治体・地元企業との連携と情報発信のベースとなり関わる皆さまの取り組みが前向きに循環していく土台になると信じています。
(引用:リリースより)
■長野朝日放送株式会社の会社概要
弊社は、1991年開局のテレビ朝日系列(ANN)の放送局として、県内のデジタル放送網を活かし、県内のニュース、暮らし、文化を取材・発信してきました。本社に加え松本、上田、伊那などの拠点を整備し、県内各地の「いま」を丁寧に伝える取材体制を整えています。夕方ニュース「abnステーション」や情報番組「駅テレマルシェ」等で地域に密着した報道・番組制作を行うほか、「どーゆーの?信州」「藤森慎吾の信州観光協会」など、県内の魅力を掘り起こしPRする番組も展開しています。デジタル領域では「abnアプリ」を運用し、県内外から視聴できるニュース動画見逃し配信、防災情報のプッシュ通知、地域別の天気、イベント情報、クーポン、視聴者投稿「みんなのスクープ」など、生活者参加型の情報流通を強化。災害時にも確かな情報を早く届けるため、放送とWeb双方の運用改善を継続しています。さらに環境キャンペーン「地球を守ろう!プロジェクト」では、子どもたちを対象としたエコポスター募集・表彰を続け、次世代とともに地域課題に向き合う活動を推進しています。
■株式会社rtv(アールティーブイ)の会社概要
弊社は、ライブ配信と映像コンテンツプロデュースを基幹とし、情報発信支援およびファンコミュニティの形成を主業とするメディア企業です。現在は大阪市を本拠として、東京にも拠点を構えており学生インターンを含む約50名規模の運営体制を保持しております。
代表取締役の須澤壮太は長野県出身。立命館大学映像学部在学中に、学生スポーツを対象とした自主配信活動を開始し、「学生が学生を応援する」という理念のもと、特化型コンテンツのメディア運営とライブ配信技術の社会実装に挑戦しました。インターネットでの配信が、まだ主流ではない黎明期にアメリカンフットボールの配信に取り組み、競技団体との信頼関係を構築。これを契機に学生ベンチャーとして法人化に至ります。以後、スポーツ、教育、地域を軸としたメディア事業を拡充しております。事業の基本方針に、「ファンづくりのプロデュース」を据え、単なる映像制作にとどまらず、中継を通して、そこに携わるすべての人(出演者、制作者、視聴者など)が当事者となり、ファンの輪を拡大させていくための関係構築を行っております。