Video Research Forum 2026 テーマは「Next STANDARD in Action」各社の取り組み事例から新たなスタンダードを読み解く
ライター 天谷窓大
ビデオリサーチ主催のビジネスフォーラム「Video Research Forum 2026」が、10月7日に東京ミッドタウンで開催。昨年までの「VR FORUM」から「Video Research Forum」と名前を変え、一新した雰囲気の中で行われる。
今回のテーマは「Next STANDARD in Action」。放送・配信・広告・コンテンツ各領域のキーパーソンが登壇し、現場における最先端の取り組みを紹介しながら、すでに動き始めている変革の事例から“Next STANDARD”を紐解いていく。
本記事では、プロジェクトリーダーを務める同社データデザインユニット ユニットマネージャーの小木 真氏にインタビュー。今回のテーマに込められた背景とメッセージ、プログラムの見どころを伺う。
■「Next STANDARD」の現在地を深堀り 取り組み現場の進捗と課題から「解決」を探る
——「Video Research Forum 2026」の開催テーマ、「Next STANDARD in Action」に込められた背景やメッセージについてお聞かせください。
小木氏:これまで毎年さまざまな角度からテーマを設定してきましたが、今年は初めて前回のテーマを引き継ぎました。
昨年は「Next STANDARDをともに。」というテーマのもと、変化の激しい時代における新しい物差しやアクションの形といったビジョン寄りのお話をお届けしました。今年はこれをさらに深堀りし、取り組みの進捗や、込められた狙い、さらには悩みや課題といったリアルな景色にフォーカスすることで、「みんなで解決していく場」を作りたいという思いを込めています。
——「Next STANDARD」という主軸を引き継ぎつつ、今年は「in Action」と、実際の具体的な取り組みに焦点が当てられています。ここにはどのような狙いがあるのでしょうか。
小木氏:我々ビデオリサーチとしても、テレビ視聴を測定する新しい基準を多く取り入れていかなければならないと考えています。現在はTVerやNetflixなど、様々なプラットフォームで放送局由来のコンテンツが楽しまれる時代です。昨年示された「Next STANDARD」をどう具現化していくのかという意味での「in Action」であり、できるだけ具体的な動きや取り組みを取り上げていきたい、お話しいただきたいと考えています。
■今年も2会場でセッション展開 トップが業界の最新状況を語る「Hall A」
—— 今回もHall A/Hall Bの2会場でセッションが展開されます。それぞれの会場におけるコンセプトや位置づけについてお聞かせください。
小木氏:「Hall A」では、業界のキーパーソンやトップレイヤー、経営者の方にご登壇いただき、包括的な目線でビジョンやアクションを語っていただきます。メディア業界全般の最新状況が、この場に来れば分かるという位置づけです。
「Hall B」は、我々ビデオリサーチにおける現在の取り組みを中心に、クライアント様と一緒にどうお役に立てているか、どう進化できているかという自社主語のウェイトを高めた発信の場として位置づけています。
とくに「Hall B」では「現在進行する取り組みのリアルを当事者目線でお話する」というコンセプトのもと、これまで登壇経験のないメンバーを新たに多く起用します。最若手では、新卒入社3年目の社員が登壇予定です。
今回の「Video Research Forum 2026」では、社会人の方々はもちろん、業界に興味を持つ学生のみなさんにも広く参加を呼びかけています。取り組みの中心メンバーとして最前線に立ちつつ、学生のみなさんにとっては年齢が近い“当事者”としての景色を感じ取っていただけたら幸いです。
—— Hall Aのセッションについて、その内容と見どころをお聞かせください。
小木氏:「Hall A」は昨年に引き続き、当社代表取締役 社長執行役員の石川 豊の開会宣言からスタートし、各セッションへと続きます。
SESSION1「テレビ広告取引のデータマーケティング・セールスの展望」では、データマーケティングや広告取引データの活用、テレビ広告の強みの活かし方、アドバタイザー視点の実務的なニーズを踏まえた進化の方向性を議論します。
本セッションは日本アドバタイザーズ協会 常任理事 メディア委員会委員長(サントリーホールディングス株式会社 執行役員 コミュニケーションデザイン本部長)の鈴木あき子氏、日本テレビ放送網株式会社 執行役員営業局長の鯉渕友康氏、株式会社電通 ラジオテレビビジネスプロデュース局 ビジネスプロデュース総括 兼 動画業務推進1部長の濱口 敦氏、株式会社博報堂 メディアビジネスデザインセンター テレビラジオビジネス局 シニアエグゼクティブ 局長の広瀬尚人氏にご登壇いただき、モデレーターを弊社執行役員 営業統括の河辺昌之が務めます。
SESSION2「地域の課題をビジネスに変える 〜ローカル局の未来戦略〜」では、岡山放送株式会社(OHK)代表取締役社長の鈴木裕一氏、長野朝日放送株式会社(abn)代表取締役社長の岩田 淳氏をお招きして、厳しい状況下にある地域メディアにおける地域課題の解決や新しい収入源の創出、地域共創への取り組み事例をお話しいただきます。モデレーターは弊社ネットワークユニット 北日本グループマネージャー 東北支社長の板東大介が務めます。
—— Hall AのSESSION3「【特別セッション】進化するメディア 〜メディアの未来を創る挑戦〜」は、今回の「Video Research Forum 2026」でも非常に重要な位置づけのセッションと伺いました。
小木氏:こちらは、「Video Research Forum 2026」注目の特別セッションです。株式会社テレビ朝日 代表取締役社長の西 新氏、株式会社電通 代表取締役 社長執行役員の松本千里氏、株式会社博報堂 代表取締役社長の名倉健司氏にご登壇いただきます。
人口動態の変化やメディア接点の多様化、そしてAIの急速な進化など、メディア産業を取り巻く環境は今、大きな転換期を迎えています。本セッションでは、放送局、広告会社、メディアリサーチ企業を代表するトップランナーが一堂に会し、変化の時代における挑戦と未来への展望を語ります。
コンテンツIPの価値拡張、マーケティングの高度化、データとAIの活用、さらには業界横断での共創など、多彩なテーマを通じて、これからのメディアが果たすべき役割と新たな成長への道筋を探ります。モデレーターは、ビデオリサーチ取締役 執行役員 経営戦略統括の木塚了敬が務めます。
また、テレビ朝日の西社長、電通の松本社長、博報堂の名倉社長は、いずれもこの1年強の間に社長へ就任されたという共通点をお持ちです。新たなリーダーとして業界変革の最前線に立つお三方からは、各社の戦略はもちろん、メディア産業全体の未来を見据えた示唆に富む議論が展開されることが期待されます。メディアビジネスの次なる可能性を考える上で、見逃せないセッションです。
—— Hall AのSESSION4以降も、興味深いテーマが目白押しですね。
小木氏:SESSION4「『広さ』と『アツさ』の両立による、スポーツコンテンツの新たな価値モデル」では、公益社団法人日本プロサッカーリーグ チェアマンの野々村芳和氏、DAZN Japan Investment合同会社 DAZN Japan CEO 最高経営責任者の笹本 裕氏、株式会社電通 執行役員(メディア/スポーツ&エンターテインメント)の石渡 弥氏をお招きし、ワールドカップ放映での地上波と配信の補完関係や、Jリーグにおけるローカル局番組とDAZNの共創・相乗効果など、「スポーツコンテンツとメディアがどうムーブメントを作れるか」を議論します。モデレーターは弊社ソリューションユニット ユニットマネージャーの鈴木康啓が務めます。
SESSION5「放送局のグローバル展開、現場でぶつかったリアルと手探りの挑戦」では、総務省 情報流通行政局 情報通信作品振興課長の吉田弘毅氏、株式会社TBSホールディングス グローバルビジネス局 局長の渡辺信也氏をお招きしてお話を伺います。モデレーターはNOBUGATE CONSULTING株式会社 代表取締役で弊社コンテンツビジネス戦略アドバイザーの竹内伸幸と弊社データデザインユニット クロスメディアビジネスグループ シニアプロデューサーの松岡逸美が務めます。
本セッションでは、国におけるコンテンツビジネスへの支援方針や、グローバル展開、複数プラットフォームの活用やデータに基づいた意思決定について、リアルな取り組みを深堀りしていく予定です。
SESSION6、SESSION7は、弊社による単独セッションとなります。
SESSION6「AIはメディア・広告・コンテンツ産業をどう変えるのか 〜海外最前線とビデオリサーチの挑戦〜」では、弊社システムソリューションユニット ユニットマネージャーの大杉盛彦が、今年8月1日に弊社で立ち上げた「AIX戦略推進グループ」の取り組みや海外事例を発表します。
生成AIの進化は、広告運用、コンテンツ制作、IP活用など、メディア・広告業界のあらゆる領域に変革をもたらしています。本セッションでは、海外におけるAI活用の動向や業界変化の兆し、ビデオリサーチが推進するAIX戦略とその挑戦についてのご紹介を通じて、データとAIの融合が生み出す新たな価値と、業界の未来像を展望します。
SESSION7「ビデオリサーチの“Next STANDARD in Action”」には、弊社取締役 執行役員事業統括の池田宜秀が登壇します。昨年掲げた「Next STANDARDをともに。」から1年経ち、業界では議論のフェーズを越えて新たなスタンダードの模索と実践が始まっています。フォーラムの締めくくりとなる本セッションでは、「Next STANDARD in Action」をテーマに、放送・配信・広告・コンテンツ領域におけるビデオリサーチの取り組みと挑戦を紹介するとともに、新たなスタンダードの実践が拓く未来像を展望します。
■若手も登壇の「Hall B」 データとAI活用の取り組みから「Next STANDARD」を探る
—— 続いてHall Bのセッションについて、その内容と見どころをお聞かせください。
小木氏:Hall Bは全体を通して「データとAI」をテーマにセッションを展開します。
SESSION1「メディア分散時代の広告効果測定をどう進化させるか 〜統合効果測定の新たなアプローチ〜」では、株式会社東急エージェンシー メディアソリューション本部 メディアソリューション局 統合メディアコミュニケーション部 ディレクターの尾原史俊氏をお招きし、弊社ソリューションユニット マーケティングソリューショングループ コンサルタントの小松結子がモデレーターを務めます。本セッションでは散在する広告効果データを統合的に見るアプローチをデータサイエンス的視点からお話しする予定です。
SESSION2「熱狂は、もっと進化する~コンテンツの成長ストーリーと「データ×AI」の挑戦~」では、長年にわたり愛され続ける数々のコンテンツを手掛ける読売テレビにご登壇いただき、弊社「ひと研究所」主任研究員の若狭谷笑未とともに、コンテンツへの熱狂を育てる独自の視点や発想、そして熱狂を生み出し続ける仕掛けやその源泉に迫ります。また、ファンダムの源泉である“ファン層”という視点から、コンテンツがどのように人を惹きつけ、熱狂へと発展していくのかを探っていきます。さらに、AIキャスティング、ファン層インサイトAI分析、企画立案支援AIなど、AIを活用したコンテンツ支援の最新の取り組みについてもご紹介します。
コンテンツづくりに携わる皆さまにとって、次の熱狂を考えるヒントとなるセッションになればと思っています。
SESSION3「ローカルテレビ広告市場を『見える市場』へ変える~ローカルテレビ広告の新たな可能性~」では、弊社データデザインユニット 広告データグループ アシスタントプランナーの神保堅二郎がモデレーターを務めます。本セッションでは、ローカルエリアにおけるデータ欠如という課題に対し、データ拡充の取り組みを発表します。
なお、本セッションで登壇する神保は新卒3年目の若手社員であり、ブランドマネージャーとして本プロジェクトのメイン担当を務めています。自ら取り組んでいるからこその話を、当日は余すことなく話してくれるだろうと期待しております。
SESSION4「AIが読み解き、現場が動く。 〜番組分析から導く意思決定〜」では、関西テレビ放送株式会社(カンテレ)総合編成局 メディアマーケティング部 部次長の岩田健吾氏をお招きし、弊社システムソリューションユニット サービス推進グループ プランナーの大渕雅人がモデレーターを務めます。
本セッションでは、関西テレビ様と弊社の取り組み事例として、AIを活用した放送局様の日常分析業務の効率化・高度化について、システム・プロダクト開発の立場からお話をさせていただきます。
昨年の「VR FORUM 2025」では、同社と共に、AIによって番組分析から仮説提言までを自動化するシステムの開発プロジェクトについてご紹介しました。今年はその取り組みの実運用フェーズとして、週次コメントの自動生成が業務フローに定着したことで、編成・制作の現場にどのような変化や効果が生まれたのかをお話しいただきます。
SESSION5「データ活用で挑む 民放主体配信サービスの進化 〜TVerとビデオリサーチによるデータ活用実証〜」では、株式会社TVer サービス本部 エクスペリエンスデザイン部 副部長の田中杏奈氏をお招きし、TVerへ出向しUX設計に携わる弊社データデザインユニット ビジネスアライアンスグループ コンサルタントの矢島直人とともに、視聴者の視聴体験デザインや、データを活用したコンテンツ編成・UI改定への貢献事例を展開します。
—— 遠方やスケジュールなどの都合で当日参加が難しいという方や、参加したセッションの内容をもう一度聞きたいという方向けに配信などは予定されていますでしょうか。
小木氏:全セッションでライブ配信およびアーカイブ配信を実施します。当日のご来場が難しかったり、リアルタイムでのご視聴が難しい場合でも、ぜひお申し込みください。
—— 今回の「Video Research Forum 2026」も非常に盛りだくさんな内容ですね。最後に改めて、イベント全体に込める思いをお聞かせください。
小木氏:毎年、とても豪華な方にご登壇頂いていますが、今年は例年以上に豪華なラインナップとなっていると思っています。私を含め、プロジェクトメンバーみな身が引き締まる思いです。一方的な情報発信で終わらせず、参加者同士が繋がり、前に進むためのプラットフォームやきっかけにしていただけるよう、盛り上げていきたいと思っておりますので、ぜひご参加いただければ幸いです。
Video Research Forum 2026 〜Next STANDARD in Action〜
開催日時:2026年10月7日(水)9時45分開演〜17時30分終了予定
会場:東京ミッドタウン・ホール(東京都港区赤坂9丁目7-2)
開催形式:会場およびオンライン
参加費:無料(事前登録制)
主催:株式会社ビデオリサーチ
Video Research Forum 2026公式サイト
https://vrforum.jp/2026
※プログラム内容、セッションタイトル、登壇者等は変更となる場合がございます。最新情報はVideo Research Forum 2026公式サイトにてご確認ください。