携帯キャリアが上位独占!2017年CM好感度『ベスト・アドバタイザー』
編集部
CM総合研究所は11日、2017年度(2017年4月度~2018年3月度)のCM好感度No.1企業『ベスト・アドバタイザー』と企業別CM好感度ランキング上位を発表。合わせて前年度からCM好感度の順位を飛躍的に伸ばした「躍進企業」の顔ぶれも発表した。
■「三太郎」シリーズのKDDIが4連覇
4年連続でベスト・アドバイザーに輝いたのはKDDI。『au』の「三太郎」シリーズが根強い支持を集め。12ヵ月中10ヵ月もの間ナンバーワンを独走し他を圧倒した。
サービスの提供開始やシーズンごとのサービスの訴求に合わせて、乙姫の妹の織姫(川栄李奈)や、鬼の息子の赤鬼(鈴木福)などの新キャラクターが登場。ストーリーに広がりが生まれて、人気シリーズに弾みがついた。 2018年に入ってからの学割訴求のコンセプト「親子で笑おう」も好調。子煩悩の鬼(菅田将暉)と赤鬼が二人旅や寺子屋への入学式、通学の道中などで仲睦まじくする様子が人気を集め、コンセプトを強く印象付けた。
■携帯キャリア3社が上位独占!
第2位につけたのは『SoftBank』『ワイモバイル』を擁するソフトバンク。10年目に突入した人気シリーズ「白戸家」の“新しい家族”として古田新太、竹内涼真、杉咲花が登場。シリーズ終了を思わせる仕掛けを行うなど今年も話題を集めた。また、竹内涼真を中心に新キャラクターを続々登場させている『学割先生』訴求シリーズや、昨年12月のスタートから若年女子を中心に人気となった「ワイモバ学園」シリーズなど、新しい仕掛けも功を奏した。
続く第3位は、7年ぶりのトップ3入りを果たしたNTTドコモ。堤真一らが「得ダネ」を追う新聞記者を演じるシリーズのうち、高畑充希がブルゾンちえみになりきるCMが大ヒットを放った。また、綾野剛の妹役にブルゾンちえみを、その母親役にコシノジュンコを、さらに加藤一二三を新聞社の会長役で起用するなど、絶妙なキャスティングで話題化に成功した。さらに、25周年記念のコラボCMとして、Mr.Childrenや安室奈美恵を起用し、コミュニケーションに厚みを持たせた。
通信大手キャリア3社が3位まで揃うのは本年度がはじめて。各社ともに激しい競争のなかで、定番シリーズ・フレームを継続しつつ、新たな話題を提供する仕組み作りに成功したといえる。 自己最高値を更新したのは日清食品とリクルート。日清食品は国民的人気アニメをリブートする『カップヌードル』の「HUNGRY DAYS」シリーズをはじめとしたチャレンジングな取り組みで消費者を楽しませた。一方、リクルートは松本人志による『タウンワーク』のシリーズを継続。渡辺直美やWANIMAといった旬の登場人物との絡みが話題となった。
■Indeed Japanが700ランク以上アップ!
躍進企業25社のトップはIndeed Japan。前年度から700ランク以上を引き上げた。 斎藤工と泉里香がさまざまな職業に扮し、『幸せなら手をたたこう』のメロディーに乗せて「♪仕事さがしはIndeed」「♪バイトさがしはIndeed」とサービス名を繰り返し歌うシリーズを7月にスタート。以降、クリスマスや年末年始、バレンタインデーなど季節感ある新作を矢継ぎ早にオンエアし、ランキング上位の常連となった。このほか、上位には日本瓦斯、富士通、WOWOWが続いた。
上位のCMをみると、情報の取捨選択やわかりやすさなど、受け手側の視点に立ったコミュニケーションに長けたCMが上位に並んでいる。出稿量の増加率もさることながら、それ以上にCM好感度につなげるための工夫が求められることがわかる結果になった。