10年後のテレビ局の姿は?テレビ局が生き残るための強みとは
21JUL

10年後のテレビ局の姿は?テレビ局が生き残るための強みとは

編集部 2016/7/21 07:00

テレビ局が10年後、どのような姿になっているか現在はまだ予測できない。しかし視聴者とテレビとの関わりが大きく変わることは確実だろう。今回は、テレビ東京 コンテンツビジネス局次長 兼 ビジネス開発担当の齊藤直宏氏に、テレビ東京の今後の戦略について伺った。

■ドラマの先行配信を開始! テレビ東京新たな施策

テレビ東京では、今回の選挙特番の配信の他にも、実は新たな試みを既に開始していた。
齊藤氏は、「土曜深夜に放送するドラマを、一週間前にAmazonプライム・ビデオにて先行配信するという取組みを行っています」と語る。

齊藤氏によると、選挙特番のようなライブ配信は今回が初めてだったというが、春先よりAmazonプライム・ビデオと手を組み、配信を先行としたドラマ放送をテレビ東京では開始していた。これはテレビ東京で以前から独自コンテンツ作りや新たな取り組みを模索していたところ、Amazonプライム・ビデオから声がかかり、双方のビジネスとして見合うコンテンツを提供し合おうという話から始まったのだという。

「Amazonプライム・ビデオさんからは再生回数が高いと伺っておりますし、テレビ東京としましても、深夜ドラマの視聴率としてはまずまずなので、テロップ告知などのプロモーションも相乗効果を生んでいるのかなと思っております」

つまり、双方の条件とタイミングが合い、Amazonプライム・ビデオにて独占配信が可能となったわけだが、このようにテレビ東京では、積極的に外部のプラットフォームにも目を向け、新しいコンテンツ作りに励んでいる様子がうかがえる。

■これからのテレビ局はコンテンツ能力が肝!

それでは、10年後のテレビ局はどうなっているのだろうか。

「今と同じ形があるとは思えませんし、正直どうなっているのかわかりません。でも、コンテンツを作ってそれをどう広く世の中の人に訴求していくかというスタイルは変わりませんし、エンターテイメントや情報、報道にしても、人がコンテンツを必要としたり、楽しんだり、情報を得たりというニーズはなくならないと思います」

これまでは放送ありきで、電波で放送することが売り上げのほとんどを占めてきたが、もう放送ファーストに縛られるのはやめて、外部のプラットフォームと組むことを考えなければいけないと齊藤氏は言う。

確かにコンテンツビジネスにしても、DVDをセルビデオ、レンタルに卸すのが当たり前だったひと昔前を考えると、今は配信が主流になりつつある。だからこそ、いち早くテレビ東京では、放送の二次利用という形ではなく、配信を先行するビジネスを新たに試みたのだろう。

「うまく配信と番組を連動できれば、番組から配信という流れだけではなく、配信で作ったものを番組で仕上げる、変化させることもできると社内では話し合っています」

テレビ東京では、ニュースや経済報道に限らず、ドラマ、ドキュメンタリー、バラエティ、トーク番組など幅を広げ展開し、時代の流れに取り残されぬよう生き残る策を日々検討しているようだ。

「テレビ局が生き残るためにこれからの強みになるのは、コンテンツ能力です」

放送というメディアを持っている強みはまだまだある。そう力強く語る齊藤氏は、テレビは視聴率以外にデータがないが、配信と連動することによって視聴者のデータがテレビの視聴率以外でも取れるようになってくるだろうと教えてくれた。もし、それが実現すれば、視聴者のより詳しいデータをいろいろな形で活かし、新たなコンテンツ作りのヒントになることは言うまでもない。また、最近ではテレビとインターネットがつながっている家庭も増えており、それもマーケティングに活用できる方法があるし、広告にも生かせるのではないかと齊藤氏は考察する。

テレビ東京では、放送と配信の連携施策や先行配信施策など、独自の新コンテンツ作りが始まっている。次はどんな新たな施策が始まるのか、他局にはないテレビ東京ならではの斬新さが期待できそうだ。

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写真中央:テレビ東京 コンテンツビジネス局次長 兼 ビジネス開発担当の齊藤直宏氏

――テレビ東京 コンテンツビジネス局次長 兼 ビジネス開発担当の齊藤直宏氏プロフィール

1987年に日本経済新聞社に入社。
3年目の人事異動でテレビ東京に出向する形となり、夕方のニュース番組のディレクターに抜擢。その後はドキュメンタリーや政治番組、「WBS」に携わり、再び日経新聞社に勤務するものの、数年後またしてもテレビ東京に返り咲き、「ガイアの夜明け」などの番組を担当。その後も日経新聞社に戻り日経電子版に携わり、今回は3度目の出向という形でテレビ東京コンテンツビジネス局次長のポストを務めている。

現在、興味があるのは格差問題やトランプ現象、EU離脱、イスラム国などの世界情勢について。仕事をする上で大事にしているのは、謙虚であること。自宅ではAmazon Fire TVでNetflixなど視聴し楽しんでいる。

「テレビ東京ビジネスオンデマンド」概要
【URL】http://txbiz.tv-tokyo.co.jp/
【サービス概要】
・会員制有料動画配信サービス/月額500円(税別)
・視聴可能デバイス:パソコン、スマートフォン、タブレット(iOS・Android向け専用アプリあり)

※現在配信中の番組(2016年7月現在)
・「ワールドビジネスサテライト」(毎週月曜~金曜夜11時)
・「NEWS モーニングサテライト」(毎週月曜~金曜朝5時45分/同時サイマル配信も実施)
・「Mプラス11」(毎週月曜~金曜午前11時13分)
・「未来世紀ジパング」(毎週月曜夜10時)
・「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)
・「カンブリア宮殿」(毎週木曜夜10時)
このほか「日曜夕方の池上ワールド」や報道特別番組を配信中


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