ビデオリサーチ、動画視聴者の感情をAIが解析する「Emolyzer(エモライザー)」を提供開始
編集部
株式会社ビデオリサーチ(以下、ビデオリサーチ)は、AIを活用した広告調査会社DAIVID LTD.(以下、DAIVID社)と共同で、動画視聴者の感情をAIが解析する「Emolyzer(エモライザー)」を開発した。これに伴い、2025年7月29日(火)より提供を開始する。
「Emolyzer」は、「Emotion(感情)」と「Analyzer(分析者)」を掛け合わせた造語で、動画視聴者が抱く感情をAIが解析し、調査をすることなく動画のクリエイティブ評価ができるサービス。本サービスを活用することで、動画広告や映像コンテンツを放送・配信する前に、視聴者がその動画を視聴した際に抱く感情を18個の感情項目(※)に基づいて秒単位で可視化できる。これにより、表現や内容の改善点を事前に把握し、より効果的な映像制作を支援する。
「Emolyzer」は、視聴者の感情分析を通じて、コンテンツの訴求力を高め、映像表現の最適化をサポートする革新的なツールとなる。
※18個の感情項目:おもしろい、斬新な、高級感のある、情緒のある、親しみやすい、癒される、さわやかな、インパクトのある、スタイリッシュな、わかりやすい、説得力のある、共感できる、信頼感を感じる、独自性を感じる、こだわりを感じる、平凡な、しつこい、あきる
■「Emolyzer」のサービスポイント
サービス紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=_4mbld4RgIo
①シーンごとの感情変化をAIで解析し、秒単位で可視化、改善ポイントの特定が容易に
18種類の感情項目に基づき、視聴者が抱く感情の変化をAIで解析し、秒単位で可視化。特定のシーンにおける反応を把握できるため、制作過程でのトライアンドエラーや、次回制作に向けた改善点の抽出をサポートする。
※本サービスは、15分未満の短尺動画(例:テレビCM、動画広告、ミニ番組など)での利用を推奨している。
②活用で動画のクリエイティブ評価の時間・コストを大幅に削減
蓄積された調査データをもとに開発したAIエンジンにより、一般生活者へのアンケート調査を行わずに、時間とコストを抑えた動画のクリエイティブ評価が可能となる。
以下のように、クリエイティブの事前評価・事後評価の両場面で活用できる。
1.事前評価に活用するケース
動画公開前に、視聴者が抱く感情反応を予測することで、狙い通りのタイミングで伝えたいメッセージが伝わっているかを確認し、公開前の最終調整に活用できる。
2.事後評価に活用するケース
動画公開後の素材においても、その動画に接触した視聴者の感情反応を予測・可視化することで、改善ポイントを特定でき、次回の制作に活かすことができる。
ビデオリサーチはこれまで、テレビCMや番組に対する視聴者からのクリエイティブ評価調査や効果検証を通じて、コンテンツの改善に貢献してきた。一方で、近年は多様なプラットフォームの登場により、動画広告や動画コンテンツの制作が急増しており、より迅速かつ効率的にクリエイティブ評価を行いたいというニーズが高まっている。
こうした市場の変化とニーズに対応していくため、ビデオリサーチはAIを活用した新たなアプローチに着目し、2023年から英国のクリエイティブデータプロバイダー企業であるDAIVID社と、動画に感情メタを付与する研究を進めてきた。
DAIVID社がグローバル展開しているAIを活用したクリエイティブデータAPIにおける専門的な知見、技術と、ビデオリサーチが長年培ってきたクリエイティブ評価調査や効果検証の実績を融合し、「Emolyzer」の開発に至った。本サービスを通じて、動画広告や動画コンテンツの価値向上に貢献するとともに、より効果的な映像表現の実現を支援していくという。
■DAVID LTD.について
DAIVIDは、広告主がキャンペーンの効果を最大化できるよう支援する、AIを活用したクリエイティブデータプロバイダー企業。ロンドンに拠点を置く同社は、かつてUnrulyで広告事業を率いたイアン・フォレスター氏によって設立された。数千万件におよぶ人々の広告に対する反応データをもとに学習させたAIモデルを開発し、動画広告やディスプレイ広告の「感情的な効果」と「ビジネス効果」をリアルタイムで測定できる。
これにより、広告主は一部の主要なクリエイティブだけでなく、すべてのクリエイティブを評価し、スケールの大きいデータドリブンな意思決定が可能となる。同社は広告テスト・プロセスに革命を起こし、そして人間のパネルを人間の注意レベルと感情を予測するアルゴリズムと入れ替え、広告主が自社広告の効果を高める手助けをする。
■「DAVID クリエイティブ データAPI」とは
動画広告が喚起する感情や注目度、ブランドやビジネス指標への影響を予測する、AIを活用したセルフサービス。指標には、39種類の異なる感情評価、購入意向、ブランド想起、最初と最後の数秒間で獲得したアテンション、総合的な広告効果スコアなどが含まれる。マーケティング担当者は調査を実施することなく、広告効果を事前に把握できる。カンターの元チーフ・サイエンティスト、ミッチ・エガーズ率いるデータサイエンティストのチームによって開発された。